君に溺愛をあげる。
王宮の門を出てすぐのところに馬車が停まっていた。

あ…!あの時のお馬さん…!

「マイロ、待たせたな。」

「ヒヒーン!」

ルカ様の声に反応して、こっちを見た白馬のマイロくん。

「ふだんは馬車を繋がせてくれないんだが、お前を迎えにいくと言ったら、言葉を理解するようにおとなしくなったんだ。」

そうだったんだ…。

心なしかごきげんそうなマイロくんをみて、じーんと感動してしまう。

「元気になって、良かったっ…。」

そっとなでると、マイロくんは私の手に鼻を擦り寄せてくれた。

「ヒヒーン!」

かわいいっ…。

「マイロが、きみのおかげだと言っている。マイロ、誘導を頼んだぞ。」

返事をするように、もう一度鳴き声を上げたマイロくん。

ルカ様はわたしを抱えたまま馬車に乗った。

わっ…豪華な馬車…。

ガラスの馬車ではないけれど、いつか見たおとぎ話の絵本で、お姫様が乗っていたような素敵な馬車だ…。

「マリー…その、さっきは話を勝手に進めて悪かった。」

ルカ様…?

「俺は、あの日、危険を顧みずマイロを助けてくれたお前に一目惚れしたんだ。それに、お前は見返りを求めなかった…その純粋さに、ますます心惹かれた。」

えっ…。

まっすぐ見つめてくるルカ様の告白に、頭が真っ白になった。

ルカ様みたいな素敵な人が…こんなわたしを、好き?

一目惚れ…心、惹かれたって…うそ…。

こんなの、おとぎ話でしかあり得ない…。

「もっと段階をふんでと思ったが…お前がこの国で酷い目にあっているとわかった以上、ここに残してはおけない」

ルカ様が、そっとわたしのほおに手をふれた。

優しいキスをされて、びっくりする。

でも、優しいふれかた…どれだけ心配してくれているのかが、重なったところから伝わってくるみたい…。

「お前を幸せにすると約束する。俺と…結婚してくれ。」

けっ…結婚っ!?

婚約者としてって言ってたけど…本当に、本気なのかなっ…?
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