ポリスラインを翔びこえて

「……すみません、お電話が遠いようですが」

『…………』


返事はない。
電話機本体の液晶パネルを見るも非通知。
通話時間のカウントだけが積み上がっていく。

こういうイタズラ電話はよくあるし、もう一度応答が無かったら切っちゃお、そう思って息を吸った途端。


『……アオちゃんだ』

「っ!?」


この声は。

電話越しでもはっきりわかる。

忘れたくても忘れられない、想い人。


『今から大事なことを言うね』

「……え?」


大事なこと?何それ。

ホムラマコト本人がわざわざこっちに電話を掛けてきて告げる大事なことって。

いくよ、と低い声が聞こえてハッとする。
急いで録音ボタンに指を滑らせる。


『烏轟組からの果たし状を受理した。20年前の決着をつけるべく、ここに宣戦布告する』

「っ……、い、いつどこで何をするの!?」

『アオバマコト、これはデマじゃない。以上』

「あっ、ちょ、……切れた」


ツー、ツー、と通話終了音が流れる受話器を仕方なく置く。
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