ポリスラインを翔びこえて

“これはデマじゃない”という言葉に引っかかる。

最後に会った日、適当なタレコミを流してその嘘っぱちで署内が踊らされるのに紛れて情報を抜け、という話だった。

これは単なる父親捜しではない、ということ?
じゃあ本当に抗争が起きる…?


「どうした蒼羽ぁ?今のなんだったんだー?」


こちらを怪訝な顔で見ていた字巡査長に先ほどの録音をスピーカー再生で聞かせた。


「ホムラマコトと名乗る男からです」

「……本人だと思うかー、蒼羽ぁ?」

「そう、ですね……」

「まあ本人かどうかなんてそう簡単に特定できねぇが。とりあえず蒼羽ぁ、その確認のためにも情報集めて早めに上げてくれ、ほいよっと」


チャリン、と銀色を投げられ反射的にキャッチする。
書庫の鍵。


「……し、承知しました」


廊下に出て書庫へ向かう。
無機質なグレー基調の床と壁と天井が続く。


ホムラマコトからの電話を取った。

ただそれだけで、胸の奥から込み上げてくる愛おしい気持ち。

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