ポリスラインを翔びこえて
「……会いたいな……」
ぎゅっと目を閉じて感情を抑える。
切望したって無駄。そんなのわかってる。
今はただ、目の前のことに集中する……
ドン!
「ふぎゃ!」
角を曲がったところで何かにぶつかった私は反動で尻もちをついてしまった。
うん、目の前のことに集中していなかった私が完全に悪い。
「大丈夫?……って、まこちゃん!」
え、その声は。
「セイ兄!」
と、その後ろに部下らしき人が3名。
みんな驚いた顔でこちらを見下ろしている。
よいしょっとセイ兄の手を取って引き上げられる。
「大丈夫だった?腰痛くない?」
「うん、大丈夫。ありがとう」
後ろの3人のうち1人の女性がひょこっと顔を出して私を見ると、ぱあっと花が咲いたみたいに笑った。
「わあ、噂どおりの美人さんね!」
「えっ」
「わたしは犬井さとみ、公安一課よ。蒼羽課長補の妹さん、初めてまして!」
「あっどうも、暴力団対策課の蒼羽真です…」