ポリスラインを翔びこえて

犬井くんといいお姉さんといい、今日はいろんな人に遭遇する日だなあ。

そしてよりによってセイ兄が現れるなんて。
会いたいな、って独り言、聞かれてないよね…?

まだバクバクする心臓を放置して早足に書庫へ向かった。


ポケットからマスクと手袋を取り出して装着し、埃っぽい空間の奥へと進んでいく。


「……あった」


手の届く位置でよかった。

ファイリングされた資料を取り出してページを捲っていく。

ふと目に入った“炎”の文字に、手が止まる。


『赫龍組 組長 炎 真信 ■■■■撃■■に■■死亡』


「ホムラ……マサノブ?」


全体的に文字がかすれていて、一部は黒インクを落としたようなシミで読解不可。

日付はちょうど20年前だった。


『烏轟組と赫龍組の抗争:(概要)今世紀最大規模の抗争である。────…なお、警察官による誤発砲で赫■■■1名■■■■■った。烏轟組の幹部は4名負傷し、組全体として79名の死傷者となった。一連の抗争に関与する総検挙数は893名に及んだ。』

< 110 / 300 >

この作品をシェア

pagetop