ポリスラインを翔びこえて

……どきどき心臓がうるさい。

だって、いくら兄妹だってさ、うなじに近づかれたら緊張するよね?

ほんの2、3秒だったけど。

セイ兄が触れた部分は熱をもって、それが放熱されるにはちょうどいい冷たい外気だった。


待ち合わせの駅についてスマホを開くと、犬井くんから10分前に家を出たという連絡が来ていた。

名前を呼ばれた気がして顔を上げると二人の男女がこちらへ近づいてくる。


「犬井くん!さとみさん!」

「蒼羽ちゃーん!こんにちはぁ、会いたかったわ〜」

「ふぎゃ……く、苦しいですさとみさんっ」

「あー、いいなあ姉さん、ぼくも抱きつきたーい」

「あんたはセクハラになるからあかんわ」

「く、苦しいですさとみさん……」

「うあ〜寒いから離れたくないわー」


大きなお胸に埋もれて苦しいので、早く離れてください……。

犬井くんが早く行こー、と私の腕を引っ張ってくれたおかげでようやく離れられたものの、今度は犬井くんが腕に絡まってきて。

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