ポリスラインを翔びこえて
────ジリリリリリリリリリーーーーー
「んがっ」
バシッ。
寝返りながら目覚まし時計をぶっ倒す。
リン、と負け惜しみのように一言放ったそいつはひれ伏せた。
夢から覚めて朝が来た。
今日も忙しい一日が始まる。
「今日も早いわねぇ、まこちゃん」
「ママだって。今日もオムレツ美味しかった!」
ママ──ヨリ子さんが毎朝作ってくれるオムレツは、相変わらず今日も絶品だった。
「うふふ、ありがとう。気をつけていってらっしゃい」
「いってきまーす!」
ジャケットに袖を通し、わずか3cmのヒールをわざと大げさに鳴らし、胸を張って歩く。
女だからって舐められたくない。
高卒だからって下に見られたくない。
そんなヒールの高さには比例しないプライドを引っ提げて、今日も正義を振りかざす。
「蒼羽ぁー、午後は俺と地銀に同行なー」
「お疲れ様です、字巡査長。例の資金巡り調査の裏付けですか?」