ポリスラインを翔びこえて
「今後一切、イヌイカケルとは接触しないでね」
「な、なんで?」
「付き合ってもいないのにまこちゃんの身体に触れるなんて許されるわけがない」
「っ、それはお互い様だし……」
「もし連絡一つでもしたなら、彼の夢は絶たれると思っておいて」
「……、」
「返事は?」
有無を言わさない鋭い視線。
反抗するなんて不可能だ。
「……わかった……」
「よろしい」
そうしてセイ兄は部屋を出て行った。
違和感がなかったと言えばうそになる。
けれど私はまだ、信じていたかった。
これは心配性からくる優しさであって、
お養兄ちゃんなりの私を守るための正義であって、
決してそこに────などあるわけない、と。