ポリスラインを翔びこえて

どうしても知りたい、それだけ、だから。

言うことを聞かない私の足は、スタスタと夜の繁華街の風を切る。

赤を求めて、ひたすら求めて。

前だけを見つめて、ひたすら見つめて。

たどり着いた先で、足を止める。


「……アオちゃん」

「……、」

「ずっと待ってたよ、アオちゃん」

「……蒼羽よ、炎くん」

「会いたかった、アオちゃん」


会いたかった、会いたかった、会いたかった。

込み上げてくる感情をただただ味わう。

どうしても知りたい、それだけ、なんて、大嘘。
そんなの会いたい口実にすぎない。


「聞きたいことがたくさんあるの」

「……」

「炎くん、」

「……」

「ねえ炎くん、聞いてる?」

「……アオちゃんは」

「うん?」

「俺に会いたくなかった?」

「……、」

「ただ聞きたいことがあるから来たの?」

「……うん、」

「……」


私を見て煌やいていた瞳は生きる意味を失ったかのように意気消沈する。

それにドキッと心臓が跳ねて、しまったと思った時には手遅れだった。

そっか、と言って踵を返し立ち去ろうとする炎くんへ咄嗟に手を伸ばす。


「待って炎くん!」

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