ポリスラインを翔びこえて

「ニンゲンは欲のかたまりなんだよ」

「……っそれはそうだけど、ニンゲンには理性があって、倫理があって、秩序があるんだよっ」

「それはアオちゃんが生きてきた世界のうち、綺麗な部分なんだよ」

「き、汚い部分は、」

「雇われた人殺し警察官みたいな人種が、この世にはうんざりするほど沢山いる」

「……じゃあ、私が見えていないだけで、ほんとうは、」

「ニンゲンの世界はとっても汚い」

「っ……」


都合の悪いことは隠す、消す、無かったことにする。

私が正義だと信じてきた警察も、見えないだけで、ほんとうはそういう悪事をしている人がいるかもしれない。

今回だって、あの黒塗り資料がそれを証拠付けるには十分だった。


「それで話は戻るけど」

「うん、」

「抗争は4月に起きる」

「4月?」

「今の赫龍組は治安維持で精一杯だけど、もう少し準備が整えば開戦宣言をする」

「っなんで、そんなことするの?」

「そういう世界だから」

「話し合いじゃだめなの?炎くんが危険な目に遭うのはいやだよっ」
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