ポリスラインを翔びこえて



 * * *



4月になって、一本の電話が鳴った。


『今宵、アオバマコトによろしく』

それは始まりの合図(コール)だった。



「なあ蒼羽ぁ、お前ホムラマコトに好かれてんのかぁ?」

「なぜでしょうね、毎回名指しなのは」

「いや俺が知りてぇよー蒼羽ぁ」

「私ってそんなにイイ女でしょうか?」

「……真顔で言われると返答に困るぜぇ」


バリ、と胡麻煎餅をかじる字巡査長。

緊急会議のあと作戦を練り直して字巡査長に上げ、それを課長へ上げてゴーサインをもらった私たちは夜に向けてデスクで休憩をとっていた。

知らんふりするのもたいぶ手慣れてきた気がする。

家でもセイ兄という監視カメラに見張られているからか、ポーカーフェイスにも磨きがかかってきたぞ、我ながらあっぱれ。


そうして日が落ちる前に現場入りして張り込みを開始する。

烏轟組の事務所の向かいの商業ビルの一室からスコープで出入り口を見張る。

< 149 / 300 >

この作品をシェア

pagetop