ポリスラインを翔びこえて

俯瞰してみればいつも通りの帰宅ラッシュの風景。

けれど目を凝らしてみれば、何度も写真や張り込みで目にした見覚えのある組員の影がちらほら。

すると事務所のシャッターが開いて黒いワンボックスカーが次々と出てきた。


「字巡査長!動き出しました、対象車両4台確認!」

「よし、追うぞ」


情報班尾行開始ぃ、という字巡査長の肉声とイヤホンからの無線音が重なる。

急いで車に乗り込み出発。
その間も字巡査長は各班と情報共有を続ける。
赫龍組も動き出したとの情報。


しばらく追跡してたどり着いたのは港湾地区の廃工場だった。


「……ここで抗争、でしょうか?」

「かもな。タイマン一発勝負っつーやつかぁ?」

「一般人を巻き込む心配はありませんね」

「ああ、立ち入りを防ぐために周辺道路は封鎖の指示を出した」

「あっ、あれは赫龍組の車、ですね」

「よぉし役者はそろったなー、蒼羽ぁ」

「…はい」


烏赫の20年抗争、開幕。


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