ポリスラインを翔びこえて
【SIDE▶ホムラマコト】
「目的は何?烏魔」
「20年ぶりに会いたくなってよぉ。ひっひっひ」
「……」
真っ黒な帽子を深々とかぶり真っ黒なスーツに身を包む長身の男。烏轟組の若頭、烏魔。
「先代がくたばってからぁ赫龍はずいぶんと丸くなったよなぁ」
「……」
「ちょっとへーわボケしてんじゃねえのって思ってよぉ」
「……無意味な争いはだるい」
「無意味なこたぁねえよ、血が騒ぐだろぅ?」
「……20年前の決着はついたはずだ」
「ああそうだぁ、俺たちが勝ったはずだよなぁ?」
「……」
「てめぇらの幹部も去年仕留めてやったよなぁ?」
「……」
「なのになんでてめぇらがまだ権利握ってんだよ、街の大概をよぉ!?」
20年前、確かに俺たちの元組長は烏赫抗争で死んだ。
でも烏轟組は力を持てなかった。
それは簡単な話さ、現組長も最強だからだよ。
オヤジに拾われた頃の俺はただの弱っちいガキだった。
虫を殺すこともできなかった組員をここまで育て上げられるくらいには強い漢だ、オヤジは。