ポリスラインを翔びこえて
「それくらい実力の差があるってことでしょ」
「じゃあ証明してもらおうかぁ、ホムラマコトぉ」
「……どうぞご勝手に」
「今日でひっくり返らせようぜぇ烏轟!殺れ!」
おるぁーーー、と威勢のいい怒声が響き渡る。
ああ、また手が汚れる。
死なない程度に意識だけ抜いて倒していくけれど、こんなこと、一体何の意味があるんだろう。
攻撃を躱しながらそんなことをぼうっと考える。
殴るのは必要最低限にしたい。
──『どんな理由があっても人を傷つけちゃだめだよ』
──『やり返しちゃだめ。まず言葉で解決するの。言葉が通じないなら逃げるの。それが正義よ』
アオちゃんがそう言ったから。
ねえアオちゃん、見てる?
ほら、できるだけ手を汚さないようにしてるよ。
向かってくる攻撃だけ避ける。
それでも殺ろうとする相手は制する。
俺は今日、絶対に自ら手をあげない。
でも、仲間が危ないときは戦うよ。
そしてもしアオちゃんが危ないときは、戦って守り抜くよ。
それが俺の正義だから。