ポリスラインを翔びこえて
この事実をセイ兄は知っているのだろうか、試したくなってカマをかけた。
「ねえ、セイ兄」
「なに、まこちゃん。くだらない質問ならお断りだよ」
「犯罪に手を染めてでも貫く正義は、正義とは言わない、って、前に云ってたよね」
「…ああ、確かに言ったよ」
「でも犯罪に手が染まらないからって他者を欺く正義は、悪というんだよ」
「……つまり何が言いたい?」
ああ、もういいや。
もはやセイ兄が知っていようが知っていないようが、どうでもよくなってきたや。
「警察官だって……時に嘘をつく」
今まで私が信じてきた正義は、全部ぜんぶ、崩壊した。
何を信じて、誰を信じていけばいいの。
正義って何だ。悪って何だ。
そもそもそんな二元論で、世界は成り立っているんじゃない。
「まこちゃん、警察官だってニンゲンなんだよ」
「っ、」
炎くんと同じようなセリフが飛び出して、ドキッと心臓が跳ねる