ポリスラインを翔びこえて
部屋の中央にあるローテーブルに向かい合わせで座る。
肩を並べるのはきっと怖がらせてしまう。
「まこちゃんはまだあの男と会ってるんだよね」
「……さあね」
「あの男は危険なんだ。このまま逢瀬を続けるのはまこちゃんの身に危険が及ぶ。母さんも言ってたけど、暴力団は複雑な世界だ、簡単に私情で立ち入ってはいけない」
「自分の身は自分で守るわ」
「だから僕はあの男を処分する」
「っ、な、何を……」
「元々僕たちの課内でも危険人物としてマークしてたんだ、警察が何度も取り逃がしてしまっているからね。だからどんな手を使ってでも必ず捕まえなければならない。やむを得ない場合は殺してでも」
「……は、殺すって……」
「でもさすがにそれは僕だって苦しい。いくら悪人だからって人を殺したくない。だけど逃げ足の早い男だからそんな悠長な気持ちでいたらいつまでたっても捕まえられない」
「……炎くんは悪人じゃないっ……」
「だからまこちゃんが、その手で、逮捕してほしい」