ポリスラインを翔びこえて
「放せ!どこ触ってんのこの変態野郎!このっ、くそぉっ!」
突然現れた黒ずくめの男、三人。
一人が羽交い締めにし、一人が身体検査し、一人は突っ立ってこっち見てる。きも、見んなし。
「この女であってるんすか、カシラ」
「ひっひっひ、合ってるぜぇ、うわさ通り頑固な娘じゃないか」
「あーもー!大人しくしてろ!動くなぁ!」
そう言われて抵抗をやめる馬鹿がどこにいると思ってんだクソ野郎。
スラックスの尻ポケットを叩いて何かを見つけたらしいクソ野郎は誇らしげにそれを掲げる。
「あー、スマホあった!」
「よし、行くぞ」
「うっす」
ぽいっと最近買い替えたばかりのスマホを投げ捨てられて発狂したのも束の間、ガムテープらしきもので口を塞がれ見覚えのある黒いボックスカーに押し込まれた。
「んー!んんんー!!!」
あれよこれよと手足もガムテープでぐるぐる巻にされる。
力の限り暴れるけれど虚しく。
スライドドアは激しい音を立てて閉じ、視界もガムテープで塞がれて、外の世界から完全に遮断された。