ポリスラインを翔びこえて
「っ、う……ぁ」
「おら、助けてぇって言ってみ?」
「次は下、だぜぇ〜」
つつ、と太ももをなぞる厭らしい手。
「っさ、触んな!きしょい!」
「おーおーいいねぇ、嫌がってるのもそそるねぇーひゃっひゃっひゃっ」
「くっ……」
「てことだから、命を助けてほしかったら組長を連れて来い、もちろんお前と二人でな。じゃ」
目的はホムラマコトというより組長?
赫龍組を潰したいってこと?
そんな大層なことにわざわざ庶民の私を使うってどういうことだ。
「おい、ネエさんの娘だからあんま手荒な真似すんなよ。オヤジにぶっ飛ばされっぞ」
「うっす」
それに男たちの会話でちらほら出てくるネエさんというワードも気になる。
姉さん?いや、姐さんの方?
とりあえず今はここから脱出する方法を考えなければ。
後ろで止められた両手のガムテープをこっそり爪で少しずつ破っていく。
濡れたせいで手が滑ってうまくいかず時間がかかりそうだ。
「なあ、あんた警察なんだ?それも蒼羽っつったら“あの”蒼羽家かぁ?」
「……」