ポリスラインを翔びこえて
「私、生まれてこなければよかった」
「アオちゃん、そんなこと言わないで」
「でもきみに逢えたから、やっぱり生まれてきてよかった」
「……アオ、ちゃん、」
きみに出逢えたから、私は強く立っていられた。
きみに出逢えたから、ほんとうの正義を知れた。
きみに出逢えたから、どんなに汚くて悪だらけで苦しい世界でも、生きていけた。
私にとってきみは、正義のヒーローだ。
「俺もアオちゃんに出逢えてよかったよ」
「っ……」
「俺にとってアオちゃんは、何よりもやさしくて誰よりも強い正義のヒーローだから」
「あはは、きみのほうが何倍も強いじゃん……」
「17年前からずっと、そう思ってた」
「……え?」
「俺、ほんとうはフジタマコトって言うんだ」
「……ふ、じた…?」
17年前…?
フジタ、マコト…?
────『約束だよ、アオちゃん』
……おとうさんの声じゃない。男の子。
──『必ず戻ってくるから』
……うん、ぜったい、戻ってきて。
──『強くなって』
──────……毎日のようにみる、あの夢は。