ポリスラインを翔びこえて


「藤田、くん…?」


思い出した。

さらさらで眩しい白い髪、透き通った淡紅色の瞳、すべすべしたキメ細かい白い肌の男の子。

5歳くらいのときかな、同じ幼稚園で、よく別の男子にその珍しい容姿でいじめられていたあの子。

その場面に遭遇しては私が間に入っていじめっ子たちを追い払っていた。

その度にきみに、こう言った。


──『大きくなったら正義のヒーローみたいに強くなって、困ってる人を助けられる人になろうね』

──『約束だよ、藤田くん』


でも、小学校が別々になってから一切会うことも関わることもなかった。

そんな幼い頃の記憶が、今さらぶわあっと蘇ってくる。

そうだ。
あの頃のきみはとても優しくて温厚で、アリの一匹も殺せなかった。

もちろんいじめられてもやり返すどころか全然抵抗しないから、毎日のようにいじめっ子に囲まれていた。

そんなきみを見て、居ても立ってもいられなかった私は毎日のようにきみの前に立ち、両手を広げて威嚇して。
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