ポリスラインを翔びこえて
「大好きだよ」
だいすき、その4文字は、越えてはいけない境界線の狭間をずっとずっと浮遊していたもの。
でももう、これでおしまい。
「でもね、炎くん」
「……」
やっと解放してあげた言の葉は、このまま朽ちてゆくだけ。
だって私は、今日……。
「私は警察官だから、」
「……、」
「きみを、捕まえなきゃいけない」
「……」
「運命に逆らってでも、きみと一緒にいたかった」
「……」
「けれど、私はきみを救いたいから」
「……」
「午後11時14分……ホムラマコトを、傷害および暴行の容疑で……現行犯逮捕、する……」
震える声でそう言い終えると、ドアの方から手錠を投げられてキャッチし、ホムラマコトの手首に掛ける。
ドアの前に立つセイ兄は銃を下ろした。
「ごめんね、炎くん」
「……それがアオちゃんの正義なら」
「っ、」
「連れてって、どこにでも」
「……うん」