ポリスラインを翔びこえて
「まこちゃん、まだ全然回復してないんだから自分のことだけ考えてちょうだい。いま何かほしいものとかある?」
「んー、コーヒー飲みたいな」
「ふふ、のどが渇いてるならこれどうぞ。まだお水しかだめなんだって」
「えー」
しかたない、水で我慢しよう。
ごくりとのどを潤すと頭が冴えていく感じがした。
「まこちゃんね、寝ている間すごく穏やかな顔だったんけど、いい夢でも見たのかしら」
「夢……、」
あれはきっと、幼い頃の記憶。
「……ねえママ、私が幼稚園くらいのとき、誰と仲良かったか覚えてる?」
「幼稚園?うーん、そうねえ……ああ、お便り帳にはよくアルビノの男の子に優しく接しています、とか書かれていたと思うわ。珍しい子だったから今でもなんとなく覚えているわ〜」
「……そう、なんだ……」
「その子の夢だったの?」
「うん……、それ、炎くん、だった……」
「……、」