ポリスラインを翔びこえて

学校の、先生……しかも恋仲だったってことは、その、片想いとかじゃなくて、そういう、関係になっていた?


「付き合ってるって公言できる関係じゃないからねぇ。周りの友だちにも秘密だったし、もちろん親にも内緒。だって先生と生徒、成人男性と未成年、まさに禁断の恋でしょう?」

「き、禁断の恋……」

「デートもね、白昼堂々と行けないからいつも先生のお家とか夜のドライブとか、こそこそしてたのよ」

「大変だったんだね……」

「大変というか、そうねえ…今振り返れば隠すのは大変だったのかも。当時はそれでも幸せだったから気にしてなかったわ」

「……そっか」


幸せだったから。

恋って苦しいことも多いけど、その根底にはやっぱり幸せがあるんだ。


「まあ、この話にオチはないんだけど」

「うん?」

「誰だって忘れられない異性の一人や二人いるんだから、幸せだった過去は思い出としてそっとこころの引き出しに保管しておけばいいのよ」

「……うん」
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