ポリスラインを翔びこえて
────『俺はこの世界で、悪として生きるしかない』
そんな言葉が脳裏をよぎった。
悪として、って何だよ。
きみのどこが悪人なんだ。
私を救出するために現場で暴れて、連れ出して、休んでてってタオルをかけてくれた。
それが悪人のすること?
そもそもきみの悪は、私にとっての正義でしかない。
「私、ほんとのこと、話すよ」
『……うん、そう言うと思った』
「セイ兄のことは黙っててもいいよ、前の抗争で無闇な発砲があったこと私誰にも言ってないし。せっかくこれまで頑張ってきたのに台無しになっちゃう」
『……はは、そう言ってくれるところもまこちゃんらしいや』
「私は自分が犯した罪は自分で償いたい。もう真実を闇に葬るのはごめんよ」
『……うん、わかった』
「仕事、無理しないでね」
『まこちゃんもお大事にね』
うん、と返事をして電話を切った。
ママがこちらを見て笑っていた。
首を傾げるとこそこそ話をするように口に手を添えて言う。