ポリスラインを翔びこえて

「ああ、鼻っから内通者になる気などなかった。そもそも俺はただ真信の古い友人であって生粋の警察官だ、潜入捜査専門は他にいたからな。この頃の烏轟組は過激派新興勢力と守旧派古参の内部抗争が激しくなりつつあって、一般人を巻き込む事件もあった。だからこれを機に烏轟組を滅ぼそうと考えたが……」


じゃあパパの書斎にあった消えた1ページの内容……内通者の報告書は、パパではなく潜入捜査専門の警察官が書いたものってことか。


「現場を包囲していることが烏轟の当時の若頭にばれて、烏轟の組長は激怒しお前と真信を人質にして逃走経路を確保するよう交渉してきた」

「っ、」

「真信もお前を救いたい一心で俺に銃を託し、これで烏轟の組長を撃てと言ったんだ」

「……」

「だが烏轟の組長は真信を盾にして拘束していた。つまり烏轟の組長を撃つには真信を撃つことでもあったんだ」

「っそ、そんな……」

「絶対に撃ちたくなかった。だが、それ以外にお前を助ける方法がなかった。真信も早く自分ごと撃ってくれと……叫んでいた……。だから、俺は…引き金を、引くしかなかった」

「っ……」
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