ポリスラインを翔びこえて

「検察は 疑わしきを 罰せずに 真実だけを 見つめるだけさ」

「……こんにちは、歌のお兄さん」


病室に現れたのは短歌くん…じゃなかった、歌川くんだった。

検察官の歌川くんは今回の事件を担当しているらしく、お見舞いも兼ねて進捗を話しに来てくれた。
お見合いじゃないよ、お見舞いだよ。

そして久しぶりに見た彼の眉毛は海苔だった。

え、それ基本装備だったの?

いやそんなことはもはやどうでもいい。
それよりも遥かに驚く話を聞かされた私は目を丸くする以外の余地はない。


「不起訴?」

「はい。今回の事件も、4月の抗争も、その前の12月の暴動も、彼は嫌疑不十分等により不起訴処分となりました」

「つまり、」

「彼は釈放されます」

「っ…!」


逮捕したからと言ってすぐに刑務所に入るわけではない。逮捕はあくまで犯罪の疑いのある者の身柄を確保し留置するだけ。
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