ポリスラインを翔びこえて
なんだか可愛く見えて思わず抱きしめたくなったけれど、脳裏をよぎるキスがそれを引き止める。
ズキン、と胸の奥が痛んだ。
ベッドから起き上がって座り直す。
セイ兄は立ったまま動かない。
「……家族としての健全なやつ?」
「っ、それは……」
「下心のほうなら無理」
「……正直、どっちもある」
「正直すぎ」
「僕はもう嘘つきたくないから」
「……、」
「まこちゃん、僕はずっと…」
「待って!」
セイ兄の言葉を遮る。
心の準備なしにその続きは聴けない。
どうしていつもセイ兄はそんなに唐突なんだ。
もっと乙女心を理解してくれ、そんなんで今までどうやって女の子と付き合ってきたんだよ。
……あれ?そういえばセイ兄って彼女いたことあったっけ。
「セイ兄ってさ、」
「うん、」
「もしかして童貞?」
「…………は?」
あれ、違うよね。うん絶対訊き方ミスったよね。