ポリスラインを翔びこえて

「……」

「……」


変な空気が流れる。

そりゃそうだ、この流れでこの質問って空気じゃないだろアホ私。

童貞かどうかとかそういうことじゃなくて、えっと、女の子の気持ちをわかってる?って訊きたかったんだよね、そうそう。


「えーっと、今日の夕飯は何かなあ」

「シチューだよ」

「わーいママのシチューだーいすき!」

「僕のことはだーいすき?」

「うーん、セイ兄のことは普通かな!」

「僕は人並みに経験してるよ」

「そうだよね、私もそうだよ」

「あはははは」

「あははは、はは……なにこれ」

「茶番」


意味わかんない、何の茶番だよ。

てか人並みって……へえ、そうなんだ、全然知らなかった。
私の恋話は詮索するくせに自分のそういう話は全然しないからなんか不公平じゃん、腹立ってきた。


「セイ兄むかつく!絶対抱きしめてやんない!」

「なんで急にむかついてんの」

「セイ兄のコイバナ全然知らないもん!私だけ一方的に話して不服よ!」

「まこちゃんに言えるほど純粋な付き合いじゃないから」

「え、なにそれ余計気になるわ」

「僕はずっとまこちゃんしか見てない」

「っ……」

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