ポリスラインを翔びこえて
「それ全部まこちゃんの逆じゃん」
「私がそうなったら好きをやめれるのかなって」
「……まこちゃんってたまに馬鹿だよね」
「失礼ね、自覚してるわよ」
炎くんにも言われたし字巡査長も馬鹿とは言わないけど馬鹿にした笑いをくれるからね、自覚してないほうがおかしい。
「はあ……うん、ありがとうまこちゃん」
「どういたしまして?」
「そんなことされてもこの先も好きをやめられそうにないよ、僕は」
「……誰が好きなんだろうねえセイ兄は」
「馬鹿は馬鹿のふりしなくていいよ」
「馬鹿ですみませんね!」
「……まこちゃん、退院したばっかりなんだから今日はゆっくり休んでね」
「うん、ひと眠りして休んだらジム行ってくるよ。鈍ってるから早く取り戻さなきゃ」
「……だめだこりゃ」
はあ、とため息ひとつ落として、肩も落として、セイ兄は部屋を出て行った。
好きと言われて不覚にもドキ、としないのはやっぱり私にとってセイ兄は家族でしかないからなんだよ。