ポリスラインを翔びこえて
Episode Ⅷ
【SIDE▶ホムラマコト】
釈放された。
せっかくアオちゃんが命を懸けて逮捕してくれたのに、こんなにあっけなく悪人を野に放つなんて。
ははは、自分で言うってバカバカしいな。
問い詰めるなら一人しかいない。
だから本当はしたくなかったけど待ち伏せして詰めてみる。
「ねえ、あんたが根回ししたの?」
「……なんの用だ」
「とぼけないでセイ兄さん」
「気安く呼ぶな」
「んーじゃあ、蒼羽課長補?」
「やめろ、僕に関わるな」
「光栄。あんたじゃ無理ならアオちゃんに会う」
「……ちっ」
どうやらそれのほうが嫌らしい。
眉間にシワを寄せてポケットに手を突っ込んでこちらへ歩き出した彼は、すれ違いざま胸に何かを押し付ける。
受け取ったのは煙草の箱だった。
早足に進む彼の後を追い喫煙所へ入るとすでにヤニをふかせて壁にもたれて立っていた。
「俺吸わねーよ」
「僕も久しぶりだ。クソ不味い」
「ふは、似合わな」
「……お前の釈放は上からの指示だ」
「……、」