ポリスラインを翔びこえて
「ワシは蜂技 豊と申します」
「俺は炎 真斗」
「ええもちろん存じ上げております」
「どーも」
「単刀直入に申し上げましょう。ワシは烏轟組を潰したいからここに参りました」
「……自分の組を裏切ると?」
「本音を言うとまあ、烏轟という名そのものを潰したいわけではなく、今の烏轟組の中身をどうにかしたいのであります」
「中身って?」
「今の烏轟は腐り切ってます。年齢性別関係なく弱い組員を使い捨ての駒にし、上の利益利権のためにどんな手でも使う。昔はもっとまともだったのに……20年前のとある事件をきっかけに、どんどん理念倫理が歪みはじめた……」
「20年前の事件?」
「ええ、あなたはお若いので知らないのも無理はないでしょう。昔、烏轟の組長の妻だった女と、赫龍組の元組長が不倫関係にあったのです」
「おい」
「ひっ!」
リュウが銃口を男の頭に突きつける。
「侮辱しに来たのなら帰れ」
「やめろリュウ」
「しかしこいつは先代のオヤジのことを」
「いいから銃を下ろせ」
「……はい」
「続けて、蜂技」