ポリスラインを翔びこえて
蜂技は目を細めて壁に並ぶ絵画の一点を見つめている。
守りたいものがある漢、そんな空気をまとう。
「蜂技、あんたを完全に信用したわけではないけど」
「はい…、それは初見なので当然です」
「わるい人じゃなさそうだな」
「……、それは嬉しいお言葉」
「別に褒めてない」
「し、失礼しました」
そうして話がついたところで彼らは身を引き取った。
静かな応接間に残ったのはリュウと俺。
じっと写真を見つめる。
会うたびいつも返し損ねてしまってごめんね。
はあ…早く終わらせてアオちゃんに会いたいな。
「カシラ、この話は組長にも上げるべきだと思う」
「ああ、そのつもりだよ」
「今日はずっと奥にいるそうだぞ」
「うん、今から行こう」
写真をジャケットの内ポケットにしまい応接間を後にした。
奥の部屋のドアをノックする。
「オヤジ、話がある」
「入れ」
ドアを開けた瞬間、空気が動いて咄嗟に身を翻す。
後ろでリュウがイテッと叫びおでこを押さえている。