ポリスラインを翔びこえて
「あいつぁ危険だ、養妹への狂愛心が尋常じゃねえぞ」
「知ってる」
「そうか、なら話が早い」
「……どういうこと?」
「お前さん、子どもの頃のアレ、覚えてないか?」
「……アレ?」
「おお、そうかそうか、はっはっはっ。まあ、忘れたほうがいいよな、あんな屈辱は」
「もったいぶるな、教えろオヤジ」
一体何の話だ。子どもの頃、何があったってんだ?
アオバセイに関する何か?
そもそも俺はオヤジに拾われたのが5歳頃だったし、小学校に入ってからは蒼羽家とは一切関わりがなくなったはずだ。
アオちゃんの存在が濃すぎてアオバセイなんて近くにいたか?
……いた、かも?
ぼんやりとした輪郭が浮かび上がるも、影薄すぎて記憶に残ってない。
だめだ、当時の俺はアオちゃんしか眼中になかった。
その他大勢のモブは全く思い出せない。
記憶を掘り起こそうと悶々としている俺を横目にケラケラ笑うオヤジ。
ちっ、いつかアオバセイに問い詰めてみようか。
いやオヤジが屈辱とか言ってたしそう簡単に聞けねぇ……。
ああ、くそぉ!