ポリスラインを翔びこえて
「まあいいや、いつか思い出すだろ」
「はっはっは。そういうのはな、案外女を手に入れたらあっさり思い出すんだよ」
「……オヤジ、女って何のこと」
「とぼけるなぁ、俺ぁお前の恋愛事情なんか全部お見通しだぞー?はっはっはっはー」
「……」
「ま、とにかくまずは烏轟を潰すのが先だがな」
「うん」
戦略が固まったら話しに来い、と言い残しオヤジはソファーから立ち上がった。
俺たちも立ち上がり部屋をあとにする、寸前。
サッと屈んで遊び心とは思えない殺気を避ける。
前に立つリュウがイテッと後頭部を掻く。
足元に小さなBB弾が可愛らしく転がる。
「油断すんな、リュウ」
「う、っす……!」
はっはっはっはーと軽快な笑い声を背後に後ろ手でドアを閉めた。