ポリスラインを翔びこえて
伝言板にうまくいったと合図があった。
情報を受け取るついでに確認しておこう、アオちゃんのことも。
日が暮れかける空。
何度も通った道。
明かりを灯し始める街灯。
行き交う人々、昼仕事の帰宅の波、夜仕事の出勤の風。
あの日きみと窓から見下ろした景色は美しかった。
地に足をつけると美しくも何もない現実だけれど、空は相変わらず鳥になって飛んでみたいと思うほど遥かに綺麗だった。
肩を叩かれ振り返るとハンカチを差し出す女。
「落としたわよ」
「ん、どーも」
「大事にしてよね」
布に隠れる小型長方形を受け取り内ポケットへ突っ込む。
「あんたのとこの弟ゲーム好きか」
「……なぜ?」
「アオバマコトとの接点」
「ああ……そうね、今はただの友達よ」
「“今は”?」
「ふふ、ちょっと前までは弟が一方的に好意を持ってたみたいだけどね」
「……」
「振られちゃったみたい」
「……ふうん」