ポリスラインを翔びこえて
「もしもし。……うん、大丈夫だよ!えっと……あー、うん、その、……まあ、そんなとこ……。ご、ごめんごめん、うんうん大丈夫だから!……はーい、じゃあねー」
まだ何か言っていたけれど、さっさと電話を切り上げて炎くんの隣へ戻る。
「ご家族?」
「うん、お養兄ちゃん。日付変わっても帰ってこない日は必ず電話くれるの。年頃の娘を心配してるんだーって。ふふっ、ちょっと過保護よね」
もう大人なのに、パパよりも心配症で子ども扱いしてくるんだ。
まあ、そんなセイ兄だから心を許せる場面もあるけど。
「……ならもっと、帰したくない」
「え?」
「今夜は帰らないで、アオちゃん」
「え……いやでも明日も仕事あるし」
「だめ。帰さない」
「こ、困るわよ、お風呂とかどうすれば」
「問題ない。上の階に全部ある」
「え、すご!」
「じゃあ行こっか」
「…って違う違う、そういう問題じゃ……うわあっ」
視界が回ったと思ったらドサ…と背中が沈む。