ポリスラインを翔びこえて
「またお前かよ」
「セイ兄さんへプレゼントがあってね」
「……誕生日はまだ先だ」
「煙草お好きでしょ?どーぞ」
ポイッと煙草の見た目の小型長方形を投げる。
中身はもちろんあんたらのUSBメモリ。
怪訝な顔で箱を開けると全てを察したようにこちらを睨みつける。
「お前……」
「あ、それとさ、このハンカチ犬井さとみに返しておいて?」
「……やはりあいつか」
「そう責めないで。これもアオちゃんを守るためだから」
「……ちっ」
「俺たちの邪魔しないでね、絶対に」
「……」
「妙な動きがあればそれ、世に流す」
「……」
「あんたらの動きは筒抜けだから」
「……」
「よろしくセイ兄」
穴が開きそうなほど彼の目をじっと見つめる。
彼もまた、俺の目を静かに見つめて、ひとつ瞬きを落とす。
沈黙は肯定と捉え、その場をあとにした。