ポリスラインを翔びこえて
「撃てよ」
両手をあげて後ろへ下がって付き人から距離を取る。
「だめ!死んじゃいや!私を殺して!」
アオちゃんが涙目で叫ぶ。
彼女から離れた銃口は俺に向けられる。
すると烏魔はわざとらしく肩をすくめて。
「おっとぉ、俺が撃つと警察に捕まっちゃうなぁ」
ニヤニヤ薄汚い笑みを貼り付けて後ろで倒れるセイ兄の胸ぐらを掴む。
「おいお前、立てぇ」
「っ……、」
ゆっくり立ち上がるセイ兄。
ロープを解き銃を持たせる。
「お前が撃て、あいつをよぉ」
「っ、」
「セイ兄だめっ!私を撃って!私が全ての元凶だ!」
「おーおー、裏切り警察官の息子ぉ、20年前にクソ親父が赫龍組のクソ野郎を撃ったときみてぇだなあ!ひっひっひっひっ」
「っ……」
「警察の仕事だろぉヤクザを捕まえるのはぁ!ひゃっひゃっひゃっひゃっ」
「だめ!セイ兄っ!お願い撃たないで!!」
アオちゃんの涙腺は崩壊する。
「さあ撃てぇ!」
口元をガムテープで塞がれたままのセイ兄はじっと俺の目を捉える。
俺もその目をじっと見つめて、そっと閉じる。