ポリスラインを翔びこえて
「まこちゃん!」
「……せ、い、兄……」
ぎゅっと力強く抱き締められる。
なんで。なんで、そんなに、嬉しそうなの。
「終わった……これでようやく、終わったよ……!」
「……」
「あんなことされて……まこちゃん、気持ち悪い思いさせてごめんね」
「……」
「あれだけ蹴散らせばきっと再起不能だからもう大丈夫だよ」
「……」
「よかった……無事で本当によかった」
「……」
「……ああ、ここは危険だ、早く離れよう」
そう言ってセイ兄は私のロープを解いて、抱き寄せながら歩き始める。
……え?何が、よかったの?
「……だめ」
「え?まこちゃんどうしたの?」
「だめ!戻る!炎くんがまだ中に!」
「っまこちゃん…!」
セイ兄の腕を力いっぱい振りほどいて屋敷へ向かって走る、けれど。
「うわあっ!」
何かにつまづいて転ぶ。
見るとボロボロになった黒い人だった。
「まこちゃん!だめだ!」
セイ兄が追いついて再び抱きつき、私を後ろへ引っ張りだす。