ポリスラインを翔びこえて
*
『────昨夜未明、指定暴力団・烏轟組の本拠地とみられる建物で爆発があり、』
ブチッ。
テレビの映像と音が消える。
犯人はリモコン片手にお茶を飲むパパ。
重たい空気の朝。
リビングはお葬式みたいな雰囲気。
食卓を囲む誰もが何も言わずに朝食だけを口にする。
『「扼殺の白蛇」ついに死亡──』
再び新聞を広げて読み始めたパパのほうを見ると、表紙にはデカデカとそんな見出しが印字されている。
「っ……」
信じたくなかった。
世間が「扼殺の白蛇」は死んだと騒いでいるだけで、ある日突然ひょっこり繁華街に顔出すんじゃないかって。
父親捜しは終わったけれど、今度は炎くん捜しの旅に出ようか。
なんて、馬鹿みたいだ。
記憶にしっかり刻まれている赤い海。
目の前で。
きみは私の目の前で、赤を流して、死んだ。
「まこちゃん、」
「……ん」
「食欲ない?体調悪い?どこか痛む?」
「……ううん、大丈夫」
心配そうに私の顔を覗き込むセイ兄。