ポリスラインを翔びこえて

昨日、屋敷を出て、病院で傷の手当てや簡易検査を受けたのち、署に戻る頃には明け方だった。

セイ兄の話では、烏轟組の組長が射殺されることまで全て一つの計画だったと。


あの日に赫龍組が烏轟組を襲撃することも、私が再び拉致されることも、さとみさんが赫龍組と烏轟組の二重スパイであったことも、赫龍組の凄腕スナイパー組長が最後に烏轟組の親分を撃つことも、セイ兄は全部知っていた。

私だけが連れて行かれるのは嫌だったからセイ兄も一緒に拉致されたと。

さとみさんは公安の中でも特に優秀な潜入捜査官だと。

そして炎くんの提案で一晩限り警察と手を組み、烏轟組を潰す計画を立てたと。


ぜんぶ演技、だったってこと。

どうしていつもこうなんだろう。
私だけが何も知らない。知らされない。

そして私の大切なひと──おとうさん、おかあさんに続いて炎くんも、この世から消えた。
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