ポリスラインを翔びこえて
部屋のベッドにうずくまる。
シーツにじわじわ海をつくる。
締め切った窓のカーテンの隙間から射し込む日光。
初めて一緒に迎えた朝。
清々しい空に翔びたつ小鳥。
つんと顎先をつつく赤い毛先。
ぎゅっと腰にまわった体温。
上下する息づかい。
込み上げてくる愛おしい気持ち。
もしきみと出逢えていなかったら、私は今ごろ自分の信じる正義を振りかざして、ひたすら自分の信じる悪を捕まえていたのかな。
世界を正義と悪で二分して、誰かにとっての正義は悪でもあることに気づかぬまま、それが正解だと思っていたのかな。
そんなことなかった。
世界はそう単純じゃない。
それでも唯一言えることは、誰かにとって正義だとしても悪だとしても、
誰かを愛するこころを制することは、誰にもできないということ。
コンコン、とノック音。
返事をできずにいると静かに開いて、静かに寄り添う。
そんなことするのはたったひとりだけ。