ポリスラインを翔びこえて

「……まこちゃん、」


ふわり、やさしく包まれる。

布団越しでもセイ兄の容赦ない温かさが染みこむ。

背中からじんわり、熱がうまれる。

これは家族としての愛情なのか、男女としての行為なのか、それさえも今はどうでもよかった。

堪えられない哀しい気持ちは吐き出す他なく、息を吸って音にする。


「大好きだよって」

「……」


きみは最期にそう言った。


「せっかく、言ってくれたのに」

「……うん」

「せっかく、両想いってわかったのに」

「……」

「死んじゃった」

「……っ、」

「私も連れてってほしかった」

「……まこちゃん、」

「一緒に死ねたらこんなつらい思いしなくてよかったのに!」

「まこちゃん、」

「なんで撃ったの!セイ兄のばか!あほ!ボケナス!」

「まこちゃんが死ぬのはいやだったから…っ」

「私もそれと同じくらい炎くんが死ぬのやだった!」

「っ、あいつだってきっとそうだ」

「っ……」

「みんなまこちゃんを愛してる」

「……、」

「みんな、きみには生きてほしいって思ってるんだよ」

「どう、して……」

「きみが一番、自分のことを死んでほしいって顔するから」

「私が……そんな顔、?」
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