ポリスラインを翔びこえて

「一番苦しいのに、一番凛々しく立って、一番強いんだよ、まこちゃんは。その強さはまるで、まわりの人のこころを燃え上がらせる燈火のようだ」

「…とも、しび…?」

「うん。勇敢な燈火」

「……」

「……」


しばらくの沈黙。

燈火か。私は燈火なのか。小さめなんだ、火。

それなら炎くんはその名の通り炎って感じかな。
強くてたくましくて勇敢な炎。


って、なんで今そんな作詞の真似ごとみたいなことしてんのよ。


「……セイ兄って時々ポエマーだよね」

「それほどでも」

「別に褒めてない」

「知ってる」


ふふ、と声を漏らせば、やっと笑ってくれた、とセイ兄も笑う。

セイ兄だって燈火だ。
いつも私の近くでこころをあっためてくれる大事な家族。


「……ありがとう、セイ兄」

「うん」

「もう終わったことだもんね」

「……まこちゃん、」

「うん?」

「僕のこと、あいつの身代わりだと思っていいよ」

「え?」

「僕はそれくらいの事をしたから」

「なに、言って…」

「僕がきみへの好きをやめるにはどうしたらいいか訊いたとき、きみは自分自身が変わろうとした。だけど、まこちゃんは何も変わらなくていいんだ」

「……、」
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