ポリスラインを翔びこえて
あーあ、何してんだろ私。
もう終わったことだし。
この先、炎くん以上に誰かを好きになることはないんだろうな。
まあ、それでいいや。
どーせ私は男運ゼロ、オトコなんていなくなって私は強いんだから、一人で生きていけるし。
私は私を大好きになれば、それでいいじゃん。
「もう死にたいなんて思わないよ」
「うん、」
「私は私のまま、セイ兄はセイ兄のまま」
「……うん」
「この世界は、そういうもんだ」
「うん、そういうもんだ」
そうして無性にジンジャーエールが飲みたくなった私は、セイ兄におねだりして買ってきてもらうことにした。
──『誰だって忘れられない異性の一人や二人いるんだから、幸せだった過去は思い出としてそっとこころの引き出しに保管しておけばいいのよ』
ふと、ママのそんな言葉が、聴こえてきた。
のどごしを切るときっと想い出す。
楽しかったあの時間、幸せだったあの空間。
その想い出は、そっと、胸の奥にしまって。