ポリスラインを翔びこえて
「綺麗な景色ね」
「うん、アオちゃんがいるから綺麗にみえる」
窓際に肩を並べて立つ。
見下ろすとキラキラ輝く街並み。
それは遥か遠くの海まで広がっている。
見上げれば夜空。
漆黒のキャンバスを薄灰色の雲が彩って、月灯りがぼんやり浮かぶ。
「ねえ、どうやってあの屋敷から生還したの?炎くんはセイ兄に撃たれてあんなに…っ」
あの赤を思い出すだけで胸がぎゅっと痛くなる。
「防弾チョッキ着てたから肋骨が折れたくらいだったよ」
「っ、でも血が、」
「あれニセモノ」
「に、ニセモノ?」
「やつらの復讐は俺を殺すことだったからリアルな演出にこだわってみた。オヤジが演技派でね」
「それも演技だったんだ…」
「それと、みんなが部屋から出ていったあとリュウが俺の身代わりを引きずって助けに来てくれた。爆発に巻き込まれて死んだ仲間の一人。そいつのポケットに俺の身分証を突っ込んでおいた」
「え、てことは世間が騒いでる扼殺の白蛇の死亡って、」
「別人」