ポリスラインを翔びこえて



 *



家に帰るとそこは戦場だった。


「待て!止まれ!その赤は一体どういうこと!?」

「待てと言われて待つ犯人がどこにいる!」

「犯人?自覚あんの!?故意犯なの!!?」

「うん!犯し犯されヤりヤられ!」

「はあーっ!? 昨日の夜から今までずっと?もう夜の8時だよ!?」

「立派なタマしてんの炎くんは!」

「なっ、何言ってんのまこちゃん!卑猥!」


家中をぐるぐる駆け回る犯人と警察官。
なにこれどんな漫才よ。


するとリビングのテーブルに腕を組んで座っていたパパがむくっと立ち上がるのが視界の端で見えた。


「……誠、真、止まれ」


静かに、でもはっきりと制止する声。

ぴた、と動きを止めざるを得ない。


「座れ」


空気が一気に緊張して、セイ兄は速やかにリビングテーブルへ戻る。

さすがの私も従ってリビングテーブルの椅子に腰掛ける。

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