ポリスラインを翔びこえて

「説明しろ、真。その名が今さらお前の口から出てくるとはどういうことだ」

「……生きてたの、ホムラマコトは」

「馬鹿言え。そんなはずはない」

「死んでなかったから会ってきた。ただそれだけ」

「想い焦がれて幻覚でも見たのか?」

「まあパパがそう思いたいならそれでもいいよ」

「はあ、お前ってやつは……」


やれやれと首を振る呆れ声。


「セイ兄だって電話越しに聞いたでしょ、炎くんの声」

そうなのか、とセイ兄を見るパパ。

セイ兄は眉をひそめて小さく頷くも、未だに信じられないと言いたげに私を見る。


「私がからだを許す相手なんてたったひとりしかいないんだから」

「……」

「そんなに信じらんないなら連れてこよっか?」

「……、」

「いやいや警察官の家にヤクザが訪問するってどんなおとぎ話よ、あははははっ」



あははははっ。

そんなおとぎ話が、数日後、

ノンフィクションになってるなんて、

誰が想像したでしょうね?


< 289 / 300 >

この作品をシェア

pagetop