ポリスラインを翔びこえて
「説明しろ、真。その名が今さらお前の口から出てくるとはどういうことだ」
「……生きてたの、ホムラマコトは」
「馬鹿言え。そんなはずはない」
「死んでなかったから会ってきた。ただそれだけ」
「想い焦がれて幻覚でも見たのか?」
「まあパパがそう思いたいならそれでもいいよ」
「はあ、お前ってやつは……」
やれやれと首を振る呆れ声。
「セイ兄だって電話越しに聞いたでしょ、炎くんの声」
そうなのか、とセイ兄を見るパパ。
セイ兄は眉をひそめて小さく頷くも、未だに信じられないと言いたげに私を見る。
「私がからだを許す相手なんてたったひとりしかいないんだから」
「……」
「そんなに信じらんないなら連れてこよっか?」
「……、」
「いやいや警察官の家にヤクザが訪問するってどんなおとぎ話よ、あははははっ」
あははははっ。
そんなおとぎ話が、数日後、
ノンフィクションになってるなんて、
誰が想像したでしょうね?