ポリスラインを翔びこえて

戻ってくるとパパは気を取り直し背筋を正していて、ママは神妙な面持ちでテーブルの上で手を握る。

セイ兄は相変わらず敵意むき出しで炎くんを見てるし、炎くんは頬杖をついてそれをおもしろそうに眺めてる。

冷たくて重たくて張り詰めた空間で唯一、へらっと柔らかい笑顔で私を迎えてくれた炎くんの前へ飲み物を置き、その隣へ座る。


「なぜここへ来た」

「……結婚のg」

「ちがーう!本望だけど今は違うから!パパが連れてこいって言ったんじゃん!」


危うくパパを沸騰させようとした炎くんの言葉を遮り、代わりに正当な理由をかざす。

まさか本当に連れてくるなんて、とでも言いたげに私を一瞥し再び炎くんに目を向ける。


「……足を洗ったのか」

「いや、むしろ今月から組長に昇進したよ」

「ええ!?なにそれ初耳なんだけど!おめでとう!」


私はまだ昇進試験に受かってないのに!
先にのぼり詰めるなんてうらやましい!


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