ポリスラインを翔びこえて
「赫龍組の、組長…だと……?」
「うん、オヤジは引退した」
「昇進祝いに祝杯をあげよう!」
「ばかもの!ヤクザと交わす盃などない!」
「まこちゃん、ちょっと浮かれすぎじゃない?」
そりゃそうだ。
だって家に炎くんがいるんだよ?信じられる?しかも結婚ってワードが出たんだよ?
浮かれない理由がどこにある?
「ちなみにセイ兄、あんたが根っからの鬼畜なおかげで助かったよ」
「気安く呼ぶな」
相変わらずセイ兄は口調が別人。もはやこっちがヤクザ。
「なんで鬼畜なの?」
「ふふ、頭なら即死だったのに」
そう言ってセイ兄に向かって拳銃を撃つマネをした。
炎くんが銃を持っているところは見たことがないけれど、その仕草だけでも十分サマになっている。
「少しでも苦しんで死ねばいいって目が訴えてた」
「……」
「図星だね」
「……ちっ」
「うっわ、セイ兄サイテー!鬼畜!」
「そんなこと言わないで…!ああ、まこちゃんがこいつに染まっていく……」
セイ兄は頭を抱えて絶望のポーズを決める。